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 皆様明けましておめでとうございます。
2022年、今年はどんな1年になるでしょうか。
皆様のご発展ご繁栄のお力になれますよう頑張って参ります。
 このコラムを書いている最中、今年初めての大雪となりました。
首都高速では、路面凍結により操作不能となった車があちこちで立ち往生して大渋滞を
起こし、10時間以上経っても未だ通行止めが解除されない事態が発生しました。
運転手さん達は車中泊で1晩過ごしたそうで、何とも不運なタイミングに
遭遇してしまったようです。
 今朝も電車の路線では、あちこち緊急停止やトラブルでダイヤも乱れて混乱が起きていました。
首都圏はとにかく雪に弱い。
 まだあと3か月程は寒い日が続きます。
日本の冬は厳しくて寒いですが、そんな時期を乗り越える人達は我慢強くて凄いです。 
胆力を養っているんだと思って乗り切って参りましょう。
そんな寒さの中でのお話です。

 元旦の朝6時、緊急ダイヤルが鳴りました。
管理物件の一室で給湯器がトラブルを起こし、水が大量に流れてしまい
廊下を挟んで向かいの玄関にまで水が出てきていると、別室の入居者が
知らせてくれました。
 給湯器内部の破裂の可能性が高いと判断し、ガス会社の手配を行いました。
現地からの連絡で、やはり給湯器が破裂していました。水は止めたものの、
給湯器自体が正月で注文できず更にコロナの影響で生産が止まっていたため、
注文しても3か月待ちとの事で、一旦中古の代替品を探して貰う事になりました。
 そんな矢先、別の貸主様からも空室の給湯器を交換する事になったと連絡が入り、
原因は同じく破裂でした。

 現在空室の給湯器は水抜きを行って頂ければ破裂を防げます。
中に残っている水が凍り膨張する為に部品が破裂してしまうもので、
真冬にだけ起こる現象です。毎年冬には空室の給湯器の水抜き作業を行う事をお勧め致します。

 年も開け繁忙期が始まるこの時期は、多忙さのあまり契約トラブルも多発しやすく、
事前の知識がかかせない判断を求められる時期でもあります。
申込が入ると当然ながら、貸主様は入居日に合わせて必要な工事の手配をしたりして
支障の無い状態で引渡しをされることと思います。
 それが大変大きな規模の店舗だった場合、申込から法人の承認が下りるまでの
時期が長いため、引渡しの条件交渉だけがどんどん進み、事前に必要な下見や
調査が入ったりする事が多々あります。交渉ばかりがどんどん具体的に進み、
入室までにどうしても事前にあれこれやっておかないと、
引渡しが間に合わないような工事があった場合どうでしょう。
 
 屋根や外壁からの漏水、建物周囲の植栽の剪定や伐採、石の撤去、
水道管や変圧器の更新工事等、引渡し前の事ですから
貸主様が費用を負担し、その借主様の為に行う工事になります。
場合によっては数百万から1千万程度の費用が先に発生する場合がよくあります。
 貸主側は間違いなくその商談が成立する事を前提に動くわけですが、それが契約に
至らず交渉が不成立に終わった場合、貸主側に一方的な損害が発生する事となり
裁判になるケースもあります。契約はしておりませんから借主には責任はないのでしょうか。
 貸主の所有であるからと言ってもそれだけの費用がかかってしまう話になると、怖くて
商談が進められなくなってしまいます。
 
 裁判ではその個々の事情によって判断が分かれています。
途中途中の状況や事情、それぞれの立場での判断がやむを得ない状況だと
判断されれば、契約前であっても1千万円以上の損害を借主に負担させた判例もあります。
 
 大事な事は間に入る仲介業者のコントロールになります。
万が一に備えられる書面や覚書、不履行になった場合の責任の所在を事前に
明確にしておく事が大切です。
 そして貸主側は仲介業者任せにする事なく、万が一になった場合の補填をどうするか、
質問できる事前の知識を身に付けておいて頂きたいものです。
今年も沢山の知識を身に付けて、トラブル回避できる
不動産事業を展開して参りましょう。